賃貸物件の管理会社に不満を感じたとき、変更を考えるオーナーさんは多いでしょう。そのときに気になるのは、下のような点かと思います。
また「自分の状況で変更を考えるべきなのか」という疑問に対しては、下の内容が参考になるかと思います。
他にも、すでに具体的に変更を考えているオーナーさんなら「火災保険はどうなるのか」という個別の情報にも興味があるでしょう。当記事ではこれらの内容をすべて説明することで、どの角度からでも、賃貸管理会社の変更について役立つ知識を得られるようになっています。
管理会社の変更を考えている賃貸オーナーさんには、きっとお役立てていただけるでしょう。
なお「選び方などより、おすすめの会社やその理由を知りたい」という場合は、下の記事を参考になさってみてください。

また「とりあえず、一番のおすすめの一社を知りたい」という場合は、下記の「武蔵コーポレーション」をチェックしていただけたらと思います。同社については「まとめ」の段落でも簡単にご紹介します。
目次
賃貸管理会社の選び方・3つのポイント
賃貸の管理会社の選び方については、特に下の3つのポイントを意識していただくといいでしょう。
また、マンションの管理会社の選び方は、賃貸でも分譲マンション(自分たちが住む場合)でも共通する部分が多いものです。分譲マンションの管理会社の選び方については、下の記事で詳しく解説しています。

複数社で相見積もりをとる
鉄板というべき方法が「複数社の相見積もり」です。これは本来「当たり前」のことなのですが、やらずに「何となく1社だけの見積もりで決めてしまっている」という賃貸オーナーさんは多く見えます。
相見積もりによって、今の会社のサービスが改善されることも
相見積もりは「今の会社から絶対に乗り換える」と決めていない場合でも有効です。相見積もりをとることによって、今の管理会社がより良い条件を提示してくれることもあります。
あちらが取引の継続を望んでいるのだから、そこで戻っても「気まずい」ということはありません。このような流れになることもあり得るので、「管理会社を変更するか迷っている」という場合でも、試してみるといいでしょう。
管理業務自体について研究する
賃貸管理会社の仕事は、賃貸の管理業務です。ということは、賃貸の管理業務について勉強しなければ、彼らが何をやっているのかわからないわけです。
これは当たり前のことですが「勉強せずにすべて丸投げ」としているオーナーさんは珍しくありません。もちろん、本業が忙しかったり「さほど不動産に入れ込んでいるわけではない」など、さまざまな理由があるでしょう。
そのため、必ずしも「管理業務について研究しなければならない」というわけではありません。しかし「いい業者」に出会いたいのであれば、研究が必要です。
これは、あなたの本業で、お客さんが「いい会社」を探しているところを想像していただくとわかるでしょう。誰でも「勉強しなきゃ、悪い業者に騙されますよ」と思うはずです。業界人がいい会社・悪い会社を瞬時に見抜けるのは「毎日実地で勉強しているから」です。
このため、本当にいい業者を見つけたいのであれば「ある程度賃貸管理について勉強する」ということも、意識してください。
「会社自体の信頼性」を見る
現場レベルでどれだけいいサービスをしてくれていても「会社自体が倒産する」などのトラブルが起きれば、賃貸オーナーも被害を受けてしまいます。こうした悪いニュースがあると、賃貸の入居者も、下のように考える恐れがあるためです。
- この物件は大丈夫だろうか
- 管理会社が倒産したら、敷金も戻ってこないんじゃないだろうか
特に2つ目については、戻ってこない可能性が高いでしょう。そのため「そうなる前に早めに引っ越す」というのは、正しい選択です。
このように「管理会社の経営基盤」は、それなりに賃貸オーナーにも影響するものです。そのような悪影響を受けないよう「会社自体の信頼性」も見るようにしましょう。
(こうした会社の比較については、下の記事でも詳しく解説しています)

賃貸管理会社を変えるときの注意点・3つ
賃貸の管理会社を変更するとき、特に注意するべき点は下の3つです。
以下、それぞれの注意点について解説していきます。
引き継ぎをスムーズに行うこと
日常生活でも仕事でも、何かを変更するときには「引き継ぎ」をスムーズにすることが不可欠です。管理会社の変更でもそれは同じですが、100%完璧にするというのは難しいもの。
そのため、何かしらのエラーは起きるという前提で、引き継ぎ時期に時間や資金の余裕を持っておくことが大切です。そうすれば、何かが起きてもすぐに対処でき、大事には至りません。
管理会社の繁忙期を避ける
賃貸の管理会社にも繁忙期があります。一般的には下の時期です。
- 1月~3月
- 9月~10月
これらの時期を避けるのは礼儀でもあり、変更をスムーズにするためでもあります。古い管理会社については不満があるかもしれません。しかしこれから付き合う新しい管理会社に負担をかけないためにも、彼らの繁忙期は避けるべきなのです。
解約通知~新規委託スタートの流れ
解約を通知してから、新しい管理会社への委託がスタートするまでには、タイムラグがあります。その流れをまとめると、下のようになります。
解約通知 | 新規スタート |
---|---|
4月~5月 | 7月~8月 |
7月~8月 | 11月~12月 |
上記以外の時期でも、繁忙期さえさければいいのですが、上記の時期が一番スムーズです。
入居者を安心させる
管理会社が変わったとき、入居者は下のような心配をします。
- 本当かどうか(詐欺ではないか)
- 本当なら、何か手続きは必要か
詐欺であれば、たとえば新しい口座に振り込んだお金を詐取されるなどのケースが考えられます。また、詐欺でなくても「何か手続きが必要である」となると、それだけで入居者は負担に感じるものです。
詐欺でないことの証明
これについては、元の管理会社と打ち合わせた上で、下のようにするのが有効です。
- 掲示板・各戸ポストへの紙で連絡する
- 「管理会社が変わった」ことを大きく書く
- 「不明点があれば問い合わせ」をうながす
- 前の管理会社の電話番号を明記しておく
その電話番号が「前の管理会社のものである」ことは、今の時代はホームページはもちろん、Googleのマップでもわかります。そのため、そこに電話して「事実である」と確認できれば、入居者も全員安心するでしょう。
もちろん、全員が電話をかけることはありません。ただ、そのように「嘘ならすぐバレる」状態になっていることで「本当だろう」と思い、安心してもらえるものです。
「手続きの類は一切ない」ことも、大きく明記
多くの入居者は「管理会社がどこでも関係ない」ものです。サービスが悪くなったら困りますが「変わること自体は、特になんとも思わない」といえます。
そのため、一番の関心事は「何か手続きが必要なのか」という点です。その手続きが「必要ない」ことを、わかりやすく大書しましょう。それだけで入居者はすぐに安心し、何事もなくスムーズに管理会社を変更できます。
(もちろん、入居者の手続きが何か必要なときは、その内容をわかりやすく書きます。また、手続きができるだけ簡単になるようにしましょう)
管理会社の変更で起きやすい3つのトラブル
管理会社の変更で起きやすいトラブルは、主に下の3つです。
以下、それぞれのトラブルについて解説していきます。
前の管理会社による嫌がらせ(残り期間の怠慢など)
管理会社の変更は、急にはできません。変更が決定してから、3カ月程度は前の管理会社のままなのです。
質の低いサービスをするような管理会社は、この期間に「嫌がらせ」をしてくることがあります。具体的には下のような内容です。
- 掃除をわざと手抜きする
- 入居者の募集活動をしない
- 電話にわざと出ない
こうして文章にしてみると「子供か」と思うかもしれませんが、大人の世界でも「こういうことは意外とよくある」というのを、社会人の方なら経験しているでしょう(自分がしたことがある、という人も見えるかと思います)。
国のトップ同士の喧嘩が原因で国交が断絶することもあるので、こうした「感情的な行動」に出るのは、まったくおかしなことではないのです。ただ、大家さんとしては間違いなく不利益になります。
もちろん「仕返し」をする管理会社の方も、評判をさらに落とすだけで、何の利益もありません。いわゆる「誰も得しない」状態になります。
根本的に悪いのは管理会社だが…
言うまでもなく、ここで根本的に悪いのは(間違っているのは)管理会社です。ただ、現実にこのような会社との関係をこじらせると、その後もさまざまな「仕返し」が待っている可能性があります。
そのため、できるだけ穏便に、感情をコントロールして付き合っていく必要があります。「こっちは悪くないのに何で」と思うのも、至極もっともです。しかし「世の中はえてしてそういうもの」というのは、多くの方が経験で学んでいるでしょう。
- そこで我慢できる人は、長期的にいろいろなことがうまく行く
- 我慢できない人(ここでは管理会社)は、うまく行かない
と考えれば、感情のコントロールもしやすくなるのではないかと思います。
手続き上のミス
「何かを変更するとき」には、手続き上のミスやトラブルが何かしら起きるものです。完璧に実行したつもりでも、何かしら小さなトラブルは起きると思っておく方がいいでしょう(そう思っている大家さんの方が、結果的にトラブルが起きにくいものです)。
一番重要な「家賃の振り込み先」や引き落としについては、ミスがないように徹底する必要があります。その他の部分も重要ですが、万が一エラーがあっても家賃ほど重大な問題を引き起こすことは少ないといえます。
不安を覚えた入居者による退去・解約
実は「管理会社を変更すると、入居者が退去してしまう」ということがたまにあります。もちろん「前の管理会社が良かったから」ではありません。
- もともと漠然と引越しを考えていた
- そこに「引き金」となるできごとが起きた
という理由が多いものです。人間は「ずっと考えたまま実行に移していない行動」というのを、多く抱えています。
これは心理学的には「現状維持バイアス」によるものですが、管理会社の変更によって「現状」が壊れることで、このバイアスも壊れるのです。つまり、契約を維持したければ、彼らの「現状維持バイアス」を壊してはいけないのですが、それを「管理会社の変更によって壊してしまう」わけですね。
要は「赤ちゃんを起こしてしまった」ようなイメージですが、管理会社の変更自体は悪いことでなくても「目覚めさせてしまった」ことが、退去につながることもあるのです。
特に不安を与えると退去につながりやすい
何も不安を与えなくても、上の段落で説明したように退去が発生することがあります。まして「何か不安を与えたとしたら」、退去が増えるのも当然といえます。
- 大家さんが金銭的に苦しくなったのではないか?
- それで、管理会社への報酬を払えなくなったのでは?
- それで安い業者に切り替えるのではないか?
などと、ネガティブにとらえられてしまう恐れもあるわけですね。また、何らかのルートで前の管理会社がそのような噂を流す恐れもあります。
彼らとして、そうした方が「新しい管理会社」という「競合を潰せる」からです。おかしな話ですが、変更したくなるようなブラックな管理会社であれば、そのような発想に至る可能性は十分にあります。
そのため、とにかく「入居者に不安を与えない・安心してもらう」ということを、徹底するようにしてください。変更時は特に清掃などを徹底するなどするといいでしょう。
賃貸で管理会社を変更するメリット・利点
賃貸で管理会社を変更することには、下のように3つのメリットがあります。
以下、それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。
変更の動きだけでも今の管理会社への圧力になる
現時点で「管理会社を変更するかどうか迷っている」という場合も「変更の動きを起こす」ことには意味があります。これだけでも今の管理会社に対する「無言の圧力」になり、先方がサービスを改善する余地があれば、その提案をしてくれる可能性が高いためです。
賃貸経営に対する理解が飛躍的に深まる
管理会社の変更は、今の管理会社にとっても、新しい管理会社(変更するとしたら)にとっても、重大な問題です。会社全体で見れば「多数いる大家さんの1人」かもしれませんが、フロントマンにとっては「大きな営業成績」になります。
そのため、各社のフロントマンがさまざまな情報や資料を用意して、あなたに提供してくれます。無駄なサービスを提案して管理費が高くなれば、受注自体を逃してしまいます。
よって、相見積もりをとることで自然と「本当に必要なサービスと適正な価格」がわかるようになるのです。これは単に価格交渉で有利なだけでなく、賃貸経営の「生きた知識」になります。
いい見直しができれば、管理のコスパが改善される
もともと、これが管理会社変更の目的です。見直しが無事に成功すれば、「より安い値段」で「より良いサービス」が受けられるわけです。これはオーナーさんだけではなく、入居者の方々のためにもなります。
(なお、管理委託費のコスパについては、下の記事でも詳しく解説しています)

賃貸で管理会社を変更するデメリット・欠点
賃貸の管理会社を変更することのデメリットは、主に下のようなものです。
以下、それぞれのデメリットについて、詳しく解説していきます。
入居者に振込口座を変更してもらう必要がある
管理会社をつけているということは、入居者の振込先は「管理会社の口座」になっているはずです。大家さんが自ら集金するなら、管理会社を使う必要はあまりありません。
(もちろん、例外もあります。たとえば清掃などの業務だけ苦手で、そうした業務だけ管理会社に任せているというケースもあるでしょう)
そうした例外はあるものの、一般的には「管理会社がついているなら、家賃の振込先は管理会社の口座」です。その管理会社が変更になる以上、振込先の口座を(入居者に)変更してもらう必要があります。
この変更依頼で何が必要か
下の点に注意する必要があります。
- 「詐欺の心配はない」ことを、明確に伝える
- 「新たな振込先」をわかりやすく、早めに伝える
- 「これ以外は何も変わらない」ことを強調する
人間誰でも「生活が変わる」のはストレスになります。自分の意思で変えたことならまだしも「大家や管理会社の都合で勝手に変えられた」環境の変化については、敏感に反応するものです。
実際、家賃の振込先が変わるという連絡をしただけで、退去につながる事例も稀にあります。そのため「振込先以外は何も変わらない」ということを、入居者が安心しやすい形で伝える必要があります。
(掲示するポスターのデザインなども、ある程度重要です)
保証会社の契約が切れることがある
保証会社は「管理会社のA社を信頼して保証をしてくれている」という可能性があります。その場合、そのA社から乗り換えると同時に「保証が終了する」ということもあるわけです。
なぜ特定の管理会社を信頼するのか
これは下のような理由です。
- 保証会社は、そもそも「立て替え払い」をしたくない
- そのため「支払いに遅れない入居者」だけ集めてほしい
- つまり「全体的に雰囲気のいい物件」であってほしい
- そのためには、管理会社の質が重要
ということです。管理会社のレベルが低く、物件も荒れているような状態では「滞納するような入居者」が集まりやすいといえます。
そのような物件では、保証会社も保証を担当したくないのです。立て替えるのが仕事とはいえ、それが多くなると回収できるかわからない出費が多くなってしまうためです。
その管理会社は、そもそも信用できるのか?
あなたが今管理会社の変更を考えている時点で、おそらく、その管理会社には「何かしらの問題」があるでしょう。それを知っているあなたからしたら「何で保証会社は、あんな管理会社を信用するのか?」と思うかもしれません。
これには下のような理由があると考えられます。
- 会社同士の癒着がある
- 会社同士ではなくても、担当者同士の個人的な癒着がある
- 実は、保証会社にとっては「良い管理会社」に見えている(癒着ではなく)
最後の理由のみ「正当なもの」ですが、これについて説明します。
保証会社にとっては「滞納がなければ良い会社」
保証会社にとって良い管理会社とは、ずばり「滞納を出さない会社」です。それだけクリアしてくれれば、保証会社は立て替えなどの仕事をせず、手数料だけもらえるわけです。
もちろん、全く何もしないわけではありません。最初の契約時の審査などはあります。しかし「それさえ終われば、後は放置で毎年手数料が入る」という形なのです。
そう考えたら「滞納さえなければ良い管理会社」というのは、理解できるでしょう。なので、サービスが悪いという理由で管理会社が変更されても、保証会社としては下のように思うわけです。
- え?A社(管理会社)が変わっちゃうの?
- 次の会社さん、A社みたいにしっかり家賃管理してくれるかな~
- 不安だから、とりあえず契約を終了しよう
- A社が新しい物件の管理を始めたら、そっちと契約しよう
あなたが保証会社の担当者だったら、上のように考えるのは自然でしょう。A社には「実績」があるわけですから「次のA社の物件と契約するために、枠を空けておこう」と考えるのは当然です(保証会社の資金や人材にも限度があるので、枠は当然あります)。
このような理由から、
- 管理が悪い管理会社でも、保証会社から信頼されていることがある
- その場合、管理会社の変更で、保証会社との契約も終了してしまう
ということがしばしば起こるのです。
切り替えに労力・時間がかかる
人間が何か「良いこと」をするとき、必ずつきまとうデメリットが「労力と時間がかかる」ことです。「栄養をとる」「十分な睡眠をとる」など、明らかにプラスになることであっても、それを実行するのに、労力と時間がかかるのです。
(ほとんどの人が「良いこと」をしない、一番の理由がこれであると言っても過言ではないでしょう)
そのため、管理会社の切り替えはある程度「余裕があるとき」でないとできません。「今すぐ切り替えたいけど、多忙でできない」という状態の大家さんも、実際に見えるでしょう。
多忙なときに無理をする選択肢もありますが、引き継ぎのトラブルが生じるリスクを考えると、多忙な時期は避けるべきです。また、管理会社の繁忙期も避けるとなると、とにかく「自分が余裕をつくる」のがベストといえます。
最終的には「人生の時間配分全般」の話にもつながりますが、とにかく「管理会社の切り替えは、ある程度の余裕を持って行う」ようにしましょう。
皆どんな時に変更してる?管理会社を変えるきっかけ・8選
管理会社の変更は、多くの賃貸オーナーさんにとって初めての経験のはずです。そのため「自分のケースは変更するほどのものなのか?」という点も気になるでしょう。
そのようなとき「他の人はどのようなときに変更しているか」という情報は、一つの参考になります。ここでは、そのような「賃貸管理会社を変更するきっかけ」で、主だったものを8つ紹介します。
以下、それぞれのきっかけについて解説していきます。
清掃ができていない
これが一番わかりやすく、入居者からの苦情も来やすい内容です。清掃の「クオリティ」については明確な基準を定めにくいものの「明らかに約束と違う」という場合は、変更の理由として十分でしょう。
この「清掃ができていない」という問題については、下の記事でさらに詳しく解説しています。

空室状態が長期間続いている
賃貸の管理会社のサービスの中には「入居者探し」もあります。これが効果を発揮せず、長期間空室の状態が続くと、多くのオーナーさんが管理会社の変更を考えるものです。
※「限界」の段落で紹介する「1つ目の体験談」では、管理会社がその物件や大家さんの名前すら忘れていたという、とんでもない事例もあります。
成約時の広告料・手数料が高い
「入居者を見つけてくれるのはいいが、その広告料・手数料が高い」というケースもあるでしょう。「こんなに払わなくても他社なら客付けをしてもらえるのでは?」と思ったオーナーさんは、やはり変更を考えます。
実際、こうして変更に動き出すことで、管理会社から値下げを提案してくれることもあります。
(なお、マンション管理費の削減のポイントについては、下の記事で詳しく解説しています)

フロントマン(担当者)とトラブルになった
フロントマンも大家さんも人間であるため、意見の食い違いや感情面などでトラブルになることもあります。こうしたトラブルは、その後の人生でお互いのマイナスに働く恐れがあるため、できるだけ避けたいところです。
しかし、どうしても修復不可能というケースでは、このような理由で変更することも仕方がありません。
他社のサービスの方が質が良い・安い
これは「今の管理会社が悪い」のではなく「他社がさらに良い」というケースです。現在の管理会社にとってはマイナスですが、大家さんの側からしたらポジティブな理由といえるでしょう。
契約満了時の見直し
賃貸管理の契約期間は、一般的に2年です。これは下の「HOME4U」の説明でもわかります。
一般的には賃貸管理の期間は2年間、その後は自動更新という場合が多いようです。
賃貸経営・HOME4U
このタイミングで管理会社の見直しを行い、結果変更することになったというケースも多くあります(管理会社の見直しについては、下の記事でも詳しく解説しています。組合の内容ですが、賃貸でも共通します)

オーナーチェンジをした
管理会社は変わっていなくても「オーナーが変わる」ことはあります。いわゆるオーナーチェンジです。
この場合、新しいオーナーが「前の管理会社とそのまま契約する」こともありますが、そうでないケースも多くあります。その場合は、新しいオーナーさんの方針などに合った管理会社が選ばれます。
管理会社の経営が悪化した
これはあまりないケースですが「管理会社の経営が悪化した」というきっかけもあります。当然ながら、管理会社が倒産してしまうと大家さんも困ります。
そのため、そのような不安を感じたときに先手を打って管理会社を変更するというのは正しい方法です。倒産後の管理会社変更は入居者が不安に思い退去してしまうこともあるため、こうしたケースでは早めに変更するのがいいでしょう。
(倒産前の「普通の変更」なら、入居者が不安に感じることも少ないため)
今の管理会社は限界!変更した大家さんの体験談・3選
あまりに酷い管理会社と付き合っていると「この会社と付き合うのはもう限界だ!」と思うこともあるでしょう。そのようなとき「他の大家さんもこういう経験をしているのだろうか」という点が、情報としても「共感」としても、気になるかと思います。
結論をいうと、そうした事例は「よくある」のですが、ここではそのような「限界」の体験談を3つご紹介します。
以下、それぞれの体験談を詳しく紹介させていただきます。
1年以上空室で連絡なし。物件&大家の名前も忘れていた
とあるポータルサイトに投稿されていた体験談です。
- 賃貸アパートを運営している
- 管理を大手管理会社にまかせていた
- しかし、1年以上空室の部屋があった
空室自体は当然問題ないのですが、その1年の間、管理会社からは何も連絡がなかったそうです。これだけでもアウトなのですが、問題はそこから先にあります。
大家さんが管理会社に電話したところ、担当者は物件名と大家さんの名前がわからなかった(忘れていた)そうです。担当者が変わったにしても、引き継ぎができていないこと自体が問題です。
もちろん、物件名を忘れていたほどなので、空室を把握していないことはもちろん、その他の管理業務自体もできていなかったということです。これを読んで「大家さんも放置しすぎ」と思う人もいるでしょう。
確かにそうですが、大家さんはお客さんであった以上、やはり管理会社の側がしっかりするべきでした(大家さんは契約時などに何がしかのお金を払っているはずなので)。
「大手だからと信用し過ぎた」というのもあるでしょう。実は大手は「真面目に仕事をしなくても依頼がくる」という甘えがある支社・支店も多く、このような事例はしばしば見られます。
この体験談は「限界」といっても大げさでないほど、大家さんが「怒っていい」事例だったといえるでしょう。
補足…フロントマンが管理できる物件は12~15物件が限界
これは管理会社選定の1つの基準にもなりますが、1人のフロントマンが管理できる物件の限界は、12~15物件とされています。もちろん、大規模なマンションならもっと少なくなります(小規模物件だけなら、18物件ほど行ける可能性もあります)。
このため、マンションの管理会社は「フロントマン1人当たりの担当物件が少ないか、適正である」という点にも注目して選ぶといいでしょう。
原状回復に家賃10カ月分、満室経営なのに赤字に
ある大家さんが「限界」と気づいたのは、原状回復で家賃10カ月分を請求されたときです。この大家さんは「修繕のことがわからない」ため、この方面はすべて管理会社に「丸投げ」していました。
そのため、管理会社は提携の業者とつるみ「ムダに多く工事を発注」し、その中間マージンを受け取っていました。それがエスカレートし、入居者が退去するときの原状回復費用が「家賃10カ月分」になったのです。
工事が終わった後だったこともあり、大家さんはこの金額を一応払いました。しかし、
- 原状回復だけでほぼ1年分の家賃
- 加えて、毎月の管理費や修繕費もあった
という計算のため「満室経営だったのに赤字」になってしまったのです。もちろん「丸投げしていた大家さんが悪い」という見方もあるでしょうし、実際に大家さんが支払ったのも、ご自身の失敗を認められたからでしょう。
ただ、これも間違いなく「限界」と怒っていい事例であり、「ひどい管理会社に当たるとこのような事件も起きるのだ」という教訓にしていただけるかと思います。
家賃の入金なし、空室放置、虚偽の報告
これもかなりひどい事例で、大家さん向けのポータルサイトに寄せられていた体験談です。
- 1カ月分の家賃が入金されていなかった
- メールで問い合わせしても2営業日返信がなかった
まず「無断で入金なし」というのが重大なルール違反であることは言うまでもありません。「この会社は倒産リスクがあるのでは?」と思われても仕方がない内容です。
そして、返信がきた後の流れは下のようなものでした。
- 「その部屋の入居者は退去した」という話だった
- そして「今、新規入居者の募集をしている」という話
これも退去が決まったのは数ヶ月前のはずなので、その時点で連絡があるべきでしたが、大家さんもここまでは「まだ良かった」ようです。
しかし、そこから下のような問題が起きました。
- さらに数カ月後に「原状回復費用」の請求が来た
- それが30万円台と、かなり高額だった
これで大家さんは怒り、担当者を現地に呼び出したそうです。怒る理由は、この時点で原状回復をしているということは「入居者の募集をしている」というのは「嘘だった」ことになるためです。
逆に「まだ退去していなかった」なら、入居者から振り込まれていた家賃を大家さんに払っていなかった(横領していた)ということで、さらに重大な問題となります。
「どちらに転んでもひどい」のですが、さらに原状回復の費用が高額だったことで、大家さんの我慢も限界に達したようです。結果、すぐに管理会社を変更したそうですが、「管理会社の報告を全部信じてはならない」という、一つの参考にしていただけるでしょう。
(なお、その大家さんは大量の物件を保有されている「超一流」の方です。そのような方でも、こうした管理会社に(一時的ではありますが)騙されるリスクがあるということです。管理会社の選定もその後の付き合いも、つくづく慎重にしなくてはなりません)
賃貸管理会社の変更と火災保険・4つの知識
賃貸の管理会社を変更するとき、多くの人が「どうなるのか」と疑問に思うのは「火災保険」です。これについて、特に重要なポイントをまとめると、下のようになります。
以下、それぞれのポイントについて解説していきます。
「入居者のための保険」は、本来影響なし
大家さんでなく「入居者が加入している火災保険」については、基本的に影響がありません。大家さんがもろもろの手続きを代行したとしても、あくまで主役は入居者です。
このため、賃貸の管理会社はもちろん、大家さんが変更になったとしても(物件を誰かに売ってオーナーチェンジしたとしても)、入居者個人の火災保険には変化がありません。
「入居者の保険」に影響する契約は法令違反
賃貸契約ではしばしば「管理会社指定の火災保険に加入すること」という条文が見られます。重要事項説明書で堂々と記載している会社も多くあります。
しかし、これは法令違反です。
- 「保険への加入が強制」というのはOK
- しかし保険の「会社・商品」を指定するのはNG
というルールがあるのです。そのため、上に書いた「管理会社指定の~」というルールは、法令違反になります。
- このルールだと、管理会社の変更が入居者に影響する
- しかし、そもそも最初から「そのルールがおかしい」
- つまり、そのルールの方を適正に変更しなければならない
ということです。かなり「根本的な問題」になってしまうわけですね。
この場合、最終的に「入居者があらためて、好きな保険会社を選ぶ」ことになります。もちろん、わからない人が多いと思うので、大家さんや新しい管理会社が紹介することもあるでしょう。
そのような背景での「変更」はあるものの、本来、このような変更は必要ないのです。前の管理会社が法令違反で「保険を強制指定していたら」変更が必要になるということですね。
なお、上記の内容の根拠については、下のような基準を随所で見ることができます。
賃貸借契約時に貸主が借主に対し、動産の保険契約を強制することは、民法上問題はない思われますが、保険会社までは指定できません。加入保険会社を指定することは、独占禁止法に抵触し、万一、そのような契約をしても無効です。
Q賃貸アパートの火災保険 管理会社指定外の火災保険に加入し…(Yahoo!JAPAN不動産)
「大家の火災保険」は、個人契約なら関係ない
入居者でなく「大家さんが加入する火災保険」の場合、「管理会社経由で契約」「自分で直接契約」の2パターンがあります。このうち「自分で直接契約」の場合は、管理会社が変更になっても当然影響はありません。
「管理会社経由の契約」は大抵変更が必要になる
これは「その管理会社だったから、割引料金で契約できていた」という可能性もあります。本当に安かったかどうかはおいておき「そのような設定だった」可能性があるわけです。
そうなると、その管理会社と解約するわけなので、火災保険についても変更が生じます。このルールがどうなるかは、個別の契約によります。
まとめ

賃貸管理会社を変更するときも「まだ業者と話していないうち」は、業者の良し悪しもよくわからないものです。実際にどこか1社の話を聞いてみることで、業者の違いもわかりやすくなるでしょう。
実際に変更するにあたっても、数社からの相見積もりをとることは必須といえます。その相見積もりにも役立つため「どこかの賃貸管理会社の無料相談を試してみる」ことは、メリットしかないと言ってもいいでしょう。
そのような相談先として最もおすすめできる会社が、冒頭でも紹介した「武蔵コーポレーション」です。同社は、管理実績13,000戸超、入居率97%という高い実績を誇り、賃貸の管理会社として、特に信頼できる1社といえます。
対象エリアは茨城を除く関東に限定されますが、このエリアのオーナーさんなら、一度無料相談を受けてみて損はないでしょう。「複数集める情報の一つ」として、まず同社のホームページをお気軽にチェックしていただけたらと思います。